10月28日に政府が閣議決定した『物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策』の一環で経済産業省は「中堅・中小事業者向けの事業再構築補助金を延長し、11月に策定する今年度第2次補正予算案に盛り込むこと。併せて、中小企業の資金繰り支援や輸出拡大促進策も強化する」との発表がありました。

延長案が出た事業再構築補助金とは、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新分野展開、業態転換、事業業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に対する補助金です。中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。

次回の募集時期(11月2日現在)

公募開始:令和4年10月3日(月)

申請受付:調整中

応募締切:令和5年1月13日(金)18:00

詳しくは公募要項を確認して頂くとして、本日は事業再構築補助金のポイントをわかりやすくお伝えします。

事業再構築補助金の特徴は建設費(建物の建築・改修、建物の撤去等)が補助対象経費であることです。建物費はものづくり補助金等では補助対象外経費であり、他の補助金と比べて補助上限金額が高い分、要件も厳しいです。

主要な申請要件のポイント

①事業再構築に取り組むこと

事業再構築指針が示す新分野展開・業態転換・事業業種転換等を行う

②売上が減少していること

2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等

➂事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること

補助金額が3,000万円 を超える案件は、認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)と策定する

新分野展開の事業計画のポイント

①既存の業務の説明

過去現在に行っていた事業を簡潔に説明し、新型コロナウィルスの影響で売上高減少等の深刻な被害が生じており事業再構築を行う必要性や緊急性が高いことを伝える

②理想像を書く

新分野による今後の展望を説明。現在の自社の人材・技術等の強みを活用した効果的な事業再構築であると伝える

③イラスト・図を入れる

審査を行う審査員は業界に詳しくない場合があるので、分かりやすい様にイラストや図を入れ既存事業と差別化する方法や仕組みを説明する

④補助事業で行う感染防止対策

ウィズコロナ・ポストコロナの時代に対応するため感染防止対策を書く

活用事例①

〈既存事業〉建設会社に向けた機械のリースを中心に、修理・販売・運送・レンタカー等建設業に関わる総合サービスの提供

〈強み〉創業50年のノウハウ・地域の繋がり

〈コロナの影響〉市場縮小に加え大手レンタル企業の参入により売上高減少

〈新分野展開〉全天候型ドッグランコートを備えたグランピング施設の開業(コロナ禍におけるペット人口の増加とアウトドア需要の高まりに着目)既存事業の機器・人材・ノウハウを活用できる

活用事例②

〈既存事業〉オリジナルのプリンを主力とした食料品の製造、WEB・直営店販売、カフェ経営

〈強み〉コンクール受賞経験があるオリジナルのプリンと密閉製法の技術

〈新分野展開〉独自製法を活用できるレトルトパウチ・瓶詰・冷凍等保存食品を極小ロットで受託するOEM生産を行い商品企画の相談から販路開拓、販売までをワンストップで提供。既存事業で培ったノウハウや販売ルート・人脈を活用し職のトータル企業を目指す

活用事例③

〈既存事業〉オリジナル国内ツアーの企画販売

〈強み〉他社と差別化できる独自の企画力

〈コロナの影響〉コロナ禍で団体客が激減、経営危機に

〈新分野展開〉祭をキーワードに新たな地域の魅力を伝えるオンラインツアー事業。既存事業で培ったノウハウや企画直を活用し業績回復を目指すとともに、地域経済の活性化、伝統文化を守り支えることに貢献する

事業再構築補助金は先にお話ししたように要件を満たすのが難しく、事業再構築をどのようにしたら良いのか・事業計画書への落とし込み方法がわからないという方が多くいらっしゃると思います。

補助金事務局に分かりやすいガイドブックがあります。ページ数は多いですがその分詳しいのでご一読ください。